モータースポーツの街鈴鹿には、世界と戦うイクメンがいた。

2017.3.13

「つづきは三重で」市民記者

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【取材】岡田聖子

モータースポーツの街として、日本はもとより世界に名が知られる三重県鈴鹿市。
そのモータースポーツの街にイクメンレーサーと呼ばれるオトコがいる。
全日本ロードレース選手権の最高峰JSB1000クラスで戦うライダー、高橋裕紀選手。
そう! 3人の子どもを持つパパです。聞くところによると、子どもを連れてテスト走行なんかにも行ったとか。
県外から三重県に引っ越してきたという高橋選手に、早速お話を伺ってきました!

ーーーイクメンレーサー高橋裕紀

指定された場所に行ってみると・・・すごく爽やかなイケメンが!
あれ? イクメン? イケメン??

高橋選手:こんにちは、はじめまして。モリワキレーシング所属の高橋裕紀です。

(えー、バイクに乗っている高橋選手とは、全然違う! 何度かテレビや雑誌で見たことあるのに・・・)
ーすいません。あまりにレースのときと印象が違って。イクメン、そしてイケメンですね。今日は、たくさん聞いてみたいことがあるのでよろしくお願いします。まず「イクメンレーサー」と呼ばれることについてはどう思いますか?

高橋選手:ただ一言、恥ずかしいです。自分では、イクメンだと思っていません。ただできることをしているだけです。(これこそイクメン!) 僕は、ここが地元ではないので、近くに親などもいませんから。やるしかないんです。妻からは、まだまだだと言われますが(笑)。

2014年のチャンピオンマシンとの家族写真。今はもう1人子どもが増えました。
▲2014年のチャンピオンマシンとの家族写真。今はもう1人子どもが増えました。

 

ー噂では、県外のレースに子どもたちを連れて行ったと伺いましたが・・・?

高橋選手:レースではないんですが、テスト走行の時に長女が入院して、ママが付き添いということで妻が病院に寝泊まりの生活になったんです。それで下の子2人をどうしようかということで、緑さん(株式会社モリワキエンジニアリング取締役の森脇緑さん)に相談したんです。緑さんは「子どもたちを連れて来ることで安心して走行できるのなら、連れてきたらいい」と。

ーまさにイクボスですね!いい会社ですね!

高橋選手:僕はとても恵まれていると思うんです。レーサーという職業は、長く子どもたちと離れているときもありますが、レースがないときは、子どもと触れ合う時間もあります。保育園の送迎なんかもできますし。妻とは役割分担が暗黙の了解みたいな感じでできています。僕は料理が苦手なので洗い物係といった感じですが。

高橋選手:ところで・・・「イクボス」って何ですか?

高橋選手と娘さん
▲高橋選手と娘さん


ーイクボス! 聞かれると思って、私調べてきたんです!

イクボスというのは、職場で共に働く部下やスタッフのワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司や経営者のことです。もちろんボスは男性だけじゃなく女性の場合もありますね。
三重県の鈴木知事も、知事職としては全国で2人目となる「イクボス宣言」を2015年に行っています。

 

高橋選手:なるほど! まさに緑さんのことですね。でもMORIWAKIに来てまだ3年ですが、緑さんは社員に対して、まるで家族みたいに温かい心で接してくれます。家族のように一緒に泣いたり、喜んでくれたりします。想ってくれるのが伝わり「期待に応えたい」とこちらも思えます。

高橋選手と緑さん
▲高橋選手と緑さん

ーーー高橋選手が考える理想の父親像

ーところで高橋選手が考える理想の父親像ってありますか?

高橋選手:「パパみたいになりたい!」って子どもに言われることですね。自分が親にならないと分からないことってたくさんありますよね。僕は今になってやっと、毎週休みの日に練習に付き合ってくれた父親をすごいと思っています。子どもの頃には全く気付きませんでした。僕は父親を尊敬しています。ですので子どもに尊敬される父親が理想の父親像です。

(確かに親の愛情の深さとか、自分が親になって気付いたことってありますよね。)
ー親の心子知らずって言いますもんね(笑)。父親だからこその育児で「これだけは母親に負けないぞ!」ということはありますか?

高橋選手:外遊び(笑)! これは、負けられません。あとは、自分のレースで走っている姿を見せること。これは、僕にしかできませんから(笑)。

(奥さまがママさんレーサーだったらびっくりしますって(笑)。)
ーそれは、母親というよりほとんどの方にマネできません! 確かに夢を追いかけ、つかむ姿ってなかなか自分の子どもに見せられるものではありませんよね。そういうパパの背中を見せることができるのは、すごく素敵で子どもたちにとっても貴重な体験だと思います。

高橋選手と息子さん
▲高橋選手と息子さん


高橋選手:そういえば、息子が、「レーサー高橋裕紀」と「パパ高橋裕紀」を別人だと思っていた時期があるんです。レースが終わって息子の前でヘルメットを外したときの、何が起きたか理解できないような固まった顔は、今でも笑えるエピソードです。息子が大きくなったら笑い話ですよね(笑)。

ー全国のパパにメッセージを!

高橋選手:仕事は、全力で! でも家に帰ったら決して「疲れた」とは言わないようにしています。子どもが将来、仕事って疲れるものだと思ってしまうと、仕事に対して夢がなくなりますからね。子どもが、日々笑顔でいられるよう頑張りましょう!

メカニックとミーティング中の高橋選手
▲メカニックとミーティング中の高橋選手

ーーー県外から見た三重県とは?

ーそういえば高橋選手は県外出身と聞いたのですが、県外から見た三重県の印象はどのような印象ですか?

高橋選手:僕から見たというか、レーサーからみた三重県鈴鹿市は「聖地」です。やはり僕の中では三重県=鈴鹿=鈴鹿サーキットですね。鈴鹿サーキットは、レーサーの中では特別なサーキットですし、憧れの場所でもあります。世界的にも鈴鹿サーキットという名前を知っている方はたくさんいます。それと、やはり伊勢神宮へは一度行ってみたかったので、三重県に来て早々に妻と行ってきましたよ(笑)。

鈴鹿サーキット
▲鈴鹿サーキットのコースを走る高橋選手

ーさすが世界のSUZUKA! 三重県に聖地と呼ばれる場所があるのはうれしいですね。聖地って何だか特別な思いがします。

高橋選手:今期からFIM世界耐久選手権シリーズ最終戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(通称:鈴鹿8耐)に参戦するので、ぜひ鈴鹿に来て応援してくださいね!


関連情報

高橋裕紀選手公式ホームページ

モリワキレーシングチームホームページ

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みえの育児男子プロジェクト