お伊勢さんに行くなら関宿も! 日本最古の地蔵院! フォトジェニックな宿場町とトラックグルメ!?

2017.4.26

「つづきは三重で」市民記者

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【取材】福田ミキ

東海道五十三次の47番目の宿場町『関宿

古くから交通の要衝であり、
古代三関の一つ「鈴鹿関」が置かれていたところ。

今も、江戸時代から明治時代にかけて建てられた町屋が200棟以上も現存し、
国の重要伝統的建造物群保存地区となっている。
関宿案内図

 

―――観光駐車場には無料の足湯がある。

関観光駐車場に車を停めると、
どこからか楽しそうな声が聞こえてきた。

足湯だ。
足湯

こちらは、
関観光駐車場に併設された交流施設「小萬の湯

赤褐色の湯で、県内では珍しい自噴の関宿温泉の湯なのだそう。

 

―皆さん気持ち良さそうですね!

お客さん:あぁそりゃそうだ。なんせ混浴だからね!

笑いに包まれる空間。
地元の方々のコミュニケーションの場となっているようだ。

 

―――東西1.8km続く江戸情緒あふれる町並み

江戸(日本橋)から京都(三条大橋)を結ぶ東海道

かつては、大名や役人、商人やお伊勢参りの旅人などが行き交い、
一定区間おいて設けられた宿場を中心に栄えていた。
江戸と京都を結ぶまち

交通機関の発達や、戦災、経済成長に伴う開発等で、
宿場町の伝統的な町並みはどんどん姿を消していった中、
唯一東海道の宿場町の景観を残していたのがこの関宿

町並みを一望できる「眺関亭」からの景色は、
江戸時代からそれほど変わっていないという。

古い町並みを残す子保存地区

そういえば、保存地区のメインの通りには電柱がない。
景観を守るために、
電線は地下に埋められているのだそう。

 

―――生活の香りのする生きた町並み保存ということ

重要な文化財として保存されている関宿。
大きな特徴は、居住者の生活の場となっているところ。

町並みや文化、伝統は、
暮らす人々の生活とともに受け継がれていくという考えのもと、
むやみに観光地化するのではなく、生活の場として、
生活の香りのする生きた町並みを残していく取り組みがなされている。

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―――江戸情緒溢れる町並みをぶらぶら歩こう。

しっくいで塗り固めた虫籠窓(むしこまど)等々、
家によって形や色もそれぞれで、
ぶらぶら歩くのが楽しい。

関宿旅籠玉屋歴史資料館の虫籠窓は、火鍋をイメージしたシンボルマーク。
▲関宿旅籠玉屋歴史資料館の虫籠窓は、火鍋をイメージしたシンボルマーク。

 

御髪結處」・・・美容院だね!
美容院

 

関宿では珍しい三角屋根のお家「橋爪家
江戸時代初めから両替商を営み、江戸にもお店を持つ豪商だったそう。
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関宿名物を発見。
江戸時代より街道の旅人に親しまれてきた「志ら玉

DSC_0024四季をあしらったという3色(赤・黄・緑)+1色(生地・白)の彩りが可愛い餅菓子。

 

ポストも町並みに調和する色。
ポスト


郵便局前には、
江戸時代、
幕府の掟や町の規定などが掲示されていた高札場

高札場

 

 

―――”関の山”の語源にもなった山車(やま)。

もうこれ以上ない、限界を示す意味として使われる「せきのやま」という言葉。

実は語源が関宿。

関宿の山車が、
大層立派で華美だったことから使われるようになったそう。

その山車が格納されている山車倉
山車倉

 

―――伊勢茶でティーブレイク。

関宿の町並みをしばらくぶらぶらしていると、そろそろ一服の時間。
ということで、創業150年の伊勢茶問屋かねき伊藤彦市商店へ立ち寄ることに。

実は三重県、お茶どころとしても有名で、生産量は静岡県・鹿児島県に次ぐ第3位

伊勢茶問屋かねき伊藤彦市商店

 

古さと新しさを融合させたスタイリッシュな店内。

伊勢茶問屋かねき伊藤彦市商店

 

三重県各地の優れた茶葉を集め、
独自の製法で美味しさを追求しているのだそう。

伊勢茶問屋かねき伊藤彦市商店

 

茶釜で伊勢茶を淹れていただいた。
伊勢茶問屋かねき伊藤彦市商店

 

うーん、とてもいい香り。
色も綺麗。
伊勢茶問屋かねき伊藤彦市商店

口に含むと、
驚くほど、風味豊かでコクがある。
そして広がるまろやかな甘さ

味だけでなく、
お茶の空間そのものを楽しむ豊かさを教えてもらった気がする。

 

―――370年変わらぬ味。御室御所の御用達銘菓。

立派な庵看板が目に入った。

創業370余年の和菓子屋「深川屋」だ。

店先にあるのは、
東海道で唯一現存しているといわれている庵看板。

旅人が方向を迷わぬよう、看板の文字が、
京都側は漢字、江戸側はひらがなで書かれた工夫が面白い。

深川屋

深川屋は、
江戸時代から変わらぬ配合や作り方を守り、
銘菓「関の戸」を作り続けている和菓子屋さん。
関の戸は、こしあんをお餅の求肥で包み、和三盆糖をまぶした一口サイズの餅菓子。
▲関の戸は、こしあんをお餅の求肥で包み、和三盆糖をまぶした一口サイズの餅菓子。

 

創業からずっと関の戸一筋だった深川屋だが、
2014年に、370年ぶりの新商品を販売。

それが、和三盆と亀山産の粉末茶をまぶした「お茶の香 関の戸

深川屋と亀山茶農協直売所茶気茶気、三重県が連携して開発した、みえフードイノベーション商品。
▲深川屋と亀山茶農協直売所茶気茶気(ちゃきちゃき)、三重県が連携して開発した、みえフードイノベーション商品。

石臼でひいたお茶がまぶしてあり、
渋味もうま味も、お茶本来の美味しさが味わえるお菓子。

同時期に発売された限定の新商品「関の戸あんぱん」にも出会えた。

月に一度の個数限定販売
▲月に一度の個数限定販売。

こしあんの中に、関の戸が3個入っており、
しゃりしゃりとしたアクセントが新食感のあんぱん。

単に新商品を増やしていくのではなく、
ぶれない軸と伝統を守りながら、進化していく。

老舗の誇りが光る。

パッケージや箱は県内の伝統工芸とコラボしたものも豊富
▲パッケージや箱は県内の伝統工芸とコラボしたものも豊富。

 

―――伝統工芸である木桶。職人技を目の前で見せていただく。

『器』の文字が刻まれた屋根瓦を発見。

「器」

 

明治十五年創業の桶屋「桶重」だ。
桶重

昔は生活必需品だった桶。

金属やプラスチック製品が出回ったことで、
桶屋さんはどんどんと姿を消していった。

その中で、
伝統工芸である木桶の技術を代々守っている桶重4代目

 

木の性質を熟知した職人技はやはりすごかった。

木桶の技術を伝える

 

計算して切り出された寄木をカンナで削り、
丸みを出す。

大工さんはカンナを動かすが、桶職人さんは木を動かす
▲大工さんはカンナを動かすが、桶職人さんは木を動かす。

 

絶妙な湾曲がついた寄木。

木桶

 

箍(たが)を作り、

木桶

 

組み合わせた寄木にはめ、
内側と外側をカンナで面取りする。

箍のサイズがばっちりはまったのに驚いた。
▲箍のサイズがばっちりはまったのに驚いた。

 

完成した木桶を触らせていただくと、
滑らかな手触りと木独特のぬくもりが優しい。
完成した木桶

 

その昔、大名たちは、
桶水槽で魚を鑑賞していたというから風流だ。

桶水槽

無機質なものに囲まれた生活だからこそ、
こういうぬくもりのある伝統工芸品を取り入れたくなる。

また木は長い年月の中で伸縮するため、
箍の締め直し等の修理が必要となる。

直してでも大切に使い続けたいものを持つって良い。

 

―――伊勢神宮から移設される鳥居。

東追分まで行くと鳥居がある。

実はこの鳥居、
伊勢神宮の宇治橋内側のものが、
20年サイクルで移設されるもの。

宇治橋の外側の鳥居は、同サイクルで桑名に移される。
▲宇治橋の外側の鳥居は、同サイクルで桑名に移される。

 

関宿の風情ある町並みはどこもフォトジェニック

いわゆるザ・観光地のようなにぎやかさはないけれど、
道にゴミひとつ落ちていない町並みから、
文化財と共に、暮らしながら残すという、
保存地区としてのプライドを感じた。

ゆっくりと旅人気分を楽しめる町である。

 

―――日本最古の地蔵菩薩。

西追分まで戻り、町並みの中心に位置している地蔵院へ。

こちらのご本尊は日本最古の地蔵菩薩で、
全国の数あるお地蔵様の中でも最も敬愛されている。

境内の本堂、鐘楼、愛染堂の3棟の建物は国の重要文化財に指定されている
▲境内の本堂、鐘楼、愛染堂の3棟の建物は国の重要文化財に指定されている。

 

住職にお話を伺うと、
地蔵院は檀家を持たない寺院で、
住職が掲げていらっしゃるのは「便利な地蔵院」であること。
住職

安心を求めてくる人に、
正面から向き合える場所であることをベースに、
窮屈な縛りは持たず、
各自が行きたいと思った時に、自由に来たらいいと仰る住職。
また、地蔵院では、
実体験を通して「本物」に触れることを大切にしており、
文化の発信地にもなっている。

 

▲毎月境内ではオーガニックマーケットが開催されている(写真は三重オーガニックマーケットFacebookより)
▲毎月境内ではオーガニックマーケットが開催されている(写真は三重オーガニックマーケットFacebookより)。

 

訪れる人たちに対し、
住職は功徳を積むお手伝いをする立場にあり、
だからこそ人は宝。

そして住職は、
地蔵院に訪れた人たちに、
色んなものを見てもらいたい、
そういう意味で、便利に使ってもらったらいいと仰る。

歴史と伝統を継承する関宿に、
日本最古の地蔵院から吹く新しい風

なんとなく宿場町というだけの認識だったが、
知れば知るほど奥深いおもしろさがある町である。

 

―――女性は一見入りにくい?! 「びっくりや」に潜入!

関宿から西へ。

旧東海道をほぼ踏襲している国道1号線沿いに、
トラック運転手さんたち御用達のお店がある。

焼き肉「びっくりや」だ。
びっくり屋

 

高度経済成長期以来、亀山市を通る国道1号線は、
名阪国道と東名阪自動車道をつなぐ重要な陸上運送ルートとなっており、
トラックドライバーでにぎわうお店が沿道に立ち並んできた。
東西中間地点にあたる鈴鹿峠の麓にある「びっくりや」もその一つ。

トラックの駐車にスペースが必要なため、駐車場がこんなにも広くなっているのだ。

女性には一見入りづらい、この入り口。
▲女性には一見入りづらい、この入り口。

 

昭和感いっぱいの味のある店内。
店内

 

鉄板が本当に鉄の板
文字通りの鉄板

ふちがないためか、ピカピカで清潔感がある。
これ便利かも。

 

壁メニューから選ぶのだけど、
迷ってしまい、常連さんにおススメを伺ってみた。

コミュニケーションを取りながらお肉を焼く常連さんと店主さん
▲コミュニケーションを取りながらお肉を焼く常連さんと店主さん。

好きなお肉に、
うどん玉を投入するのが定番とのこと。

 

なるほど、
注文したお肉は、
キャベツと共に全て一緒に炒めるスタイル。

味付けは、甘辛な味噌ダレで、
キャベツにもしっかり絡んでいる。

味付けは、甘辛な味噌ダレ

 

普通はにんにくがたっぷりのつけダレだが、この日は控えめ。「女性は気になさるかな」という店主のお気遣い。
▲普通はにんにくがたっぷりのつけダレだが、この日は控えめ。「女性は気になさるかな」という店主のお気遣い。

別途添えられるつけダレは、
体力を求められるトラックドライバーさんのために、
塩分を少しだけ多めにしてあるのだそう。

 

炒めたお肉にうどん玉投入!

これは間違いないでしょ!
▲これは間違いないでしょ!

 

いただきまーす!!

いただきます!

関宿のディープな魅力を体感した1日。

関西からも名古屋からもアクセスは抜群。

伊勢神宮に行く際は、
ぜひ関宿も寄ってみてはいかがでしょう♪

 


関連情報

亀山市観光協会ホームページ

亀山市観光情報(亀山市ホームページ)

亀山みそ焼きうどん
→今回は「びっくりや」を紹介しましたが、他にも亀山には美味しい食べ物がたくさんあります。例えば、昔から亀山では、味噌で味つけをした焼きうどんを家庭で作って味わっていました。この美味しいみそ焼きうどんを多くの方に食べてもらおうと、まちおこしグループ「亀山みそ焼きうどん本舗」が庶民にとって最高のB級ご当地グルメである「亀山みそ焼きうどん」の普及に取り組んでいます。

みえフードイノベーション商品紹介(三重県ホームページ)
→亀山関連だとこんなものもあります。「サッポロ一番 三重亀山ラーメン 牛骨味噌味

つづきは亀山市で