つながろう! 地元と一緒に三重をつくる、三重大学の取り組みを潜入リポート!

2017.9.28

「つづきは三重で」市民記者

DSC_0497

【取材】yusuke.murayama

三重県に暮らす人々にとって、「三重大学」という響きはとても身近に感じます。
しかし、三重大学に接する機会が少ない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか(筆者もその一人)。
そこで今回は、三重大学の取り組みの一部を取材しました。
取材したら見えてきた、三重大学の地方創生への取り組みを中心に記事にまとめました。
今まで三重大学に接することが少なかった方も、個人また地元企業として何かしらの接点ができるかもしれません。
それでは早速、三重大学潜入レポートのスタートです。

 

———三重大学と地域や企業との取り組み

まずは、三重大学地域戦略センター(以降RASC[ラスク])にお伺いして、RASC副センター長の黒岩健一さんにさまざまな取り組みを教えていただきました。
RASCは三重大学社会連携担当副学長である西村訓弘教授をセンター長とした大学発のシンクタンクです。社会貢献、教育の充実、研究の拡充をミッションとして、地方公共団体、地元銀行、証券会社などと連携して、各種地域活性化事業を推進しています。
地域活性化事業ときくと何やら難しい感じがします。そこで、今回は数ある事業の中から「地域活性化プラン」という取り組みを紹介します。
地域活性化プランとは、簡単に説明すると、地方自治体や企業などと連携して、農業の6次産業化のスタート段階から支援をすることです。地域の方々とのネットワークを構築したり、デザインやマーケティングなどの専門家を派遣して、商品開発や販売促進などを行い、その成果を情報発信しています。
では実際に、どのような成果物ができたのか、一部をご紹介します。

(1)JA鳥羽志摩特別栽培米コシヒカリ部会(平成27年)

▲引用:地域戦略センターの紹介

▲引用:地域戦略センターの紹介

贈答・お試し用パッケージの作成。

部会員参加型の顔の見えるイベントの開催(販売イベント企画)。

 

(2)久居果樹振興協議会(平成28年)

▲引用:地域戦略センターの紹介

▲引用:地域戦略センターの紹介

ブランド戦略の策定、販売企画の支援。
ロゴタイプデザイン、パッケージ・小冊子等の作成。

デザインなどの専門家が入ることで、新しい切り口で商品の魅力を伝えることができているのが、写真からもわかりました。

続いて、限界集落での取り組みをご紹介いただきました。

 

(3)南伊勢町竈方(かまがた)集落T型集落点検事業
T型集落点検とは、住民の年齢・家族構成・転出先・帰省頻度等を調査し、集落の現状を知る点検方法です。
竈方集落は、むかし平家の落人が住みついた集落でした。現在は限界集落化していています。そこで各集落内の家族構成や親戚との距離感(帰省頻度等)を明らかにする必要性があり、三重大学の学生も加わってT型集落点検調査を行いました。

matsuri-01
▲引用:地域戦略センターの紹介

また、後継者不足が原因で半世紀前に途絶えた「竈方祭」という、伝統的な神事を復活させて、竈方の文化の素晴らしさを再認識していただき帰省を促すプロジェクトを立ち上げました。竈方集落から出て他の地域に暮らす方々に、竈方祭の期間だけでも戻ってきていただき、地元の良さに気が付いていただくために、三重大学生がビデオレターを作るなどしました。

このように、一部ですが事例を教えていただくと、三重大学が行っている地域との取り組みがよく分かりますね。

———自転車で行ける! 学生目線の情報誌Loupe(ルーペ)

RASCの協力団体に津学生情報室(以下TGJ)という組織があります。
TGJは三重大学や三重短期大学の学生がメンバーとなっていて、学生が自ら津市の魅力を詰め込んだ「学生による学生のための情報誌Loupe(ルーペ)」を制作しています。
ルーペは企画、編集、取材、デザインなどすべてを自分たちで行い、学祭や津市のイベント、また津市内の書店などで販売しています。

IMG_1026
▲Loupe第3号(表紙)

目的は、学生目線の情報誌を発行することで、学生をはじめとする多くの方々に津市の魅力を伝えることです。
取材対象は学生目線で「おもしろい!」「熱い!」と感じた津のこと、人、お店情報などで、コンセプトは「自転車で行ける!」です。

IMG_1028
▲Loupe第3号(誌面一部)

今回、津市役所で津市長や記者向けの報告会があると聞き、そちらに伺いインタビューしました。

DSC_0497
▲TGJメンバーの皆さん

まずお話しを伺ったのは、TGJの立ち上げメンバーであり、初代代表でもある佐藤真代さん。

DSC_0500
▲初代代表の佐藤さん

Loupeを始めようと思ったきっかけは何ですか?
佐藤さん:学生ならではの視点で、自分たちが “おもしろい” と思ったことを発信したいと思ったのがきっかけです。私自身、名古屋から通っていて、当時は津のことをあまり知りませんでした。きっと自分だけじゃなくて、他の学生も津のことをもっと知りたいのでは、と思っていました。当時、三重大学に通う学生にアンケート(対象73人)をしたのですが、津駅より南に行ったことがある学生は1/4程度でした。

Loupeを読ませていただき、とてもしっかり取材されていて、その取材対象も、津市に暮らす方々にとってとても魅力的なお店などを取材されていると思いました。自転車で行ける!という学生の特性を生かした素晴らしいコンセプトだと思うのですが、このコンセプト以外に気を付けていることはありますか?
佐藤さん:ありがとうございます。気を付けていることは “友だちなどの身内に伝える感覚” です。

初代代表として、今のメンバーが発足からの想いを受け継いでいることに、とても感謝をしていた佐藤さん。また、市民や県民の皆さんにも読んでいただきたいとの想いも話していただいた。

 

続いて現在、2代目の代表である福島杏奈さんにインタビューを行いました。

DSC_0502
▲2代目代表の福島さん。手に持っているのは、近々創刊のLoupe+(ルーペプラス)(無料リーフレット)

Loupeは充実した内容でその分、学業との両立は大変そうだなと思うのですが、どのように運営されているのですか?
福島さん:学業が疎かになってはいけないので、発行は年に1回としています。実際に大変だなと思うときもあるのですが、ほかのメンバーが頑張ってくれるので、私も頑張ろうという気持ちで運営しています。

これからは “地方創生” の時代といわれています。Loupeを運営するにあたり、その辺は意識していますか?
福島さん:いえいえ!そんな大きなことは考えていません。でもLoupeを運営していくうちに “地方創生” ということが気になりはじめてはいます。せっかくなら学生だけでなく、市民や県民の方々にも読んでいただければと思います。

学生が自分たちの目線の活動を続けていくうちに気が付くこと。
また学生目線で書かれている記事、言わば広告要素のない記事を読んだ地元に暮らす方々が、「Loupeに載ってるあのお店、行ってみたいな!」というように、個人の生活の中で地元を見つめ直すこと。
そういった “連鎖” が、地方創生には欠かせない大きな要素だと感じました。

 

———サッカー選手じゃないよ!その名も、三重創生ファンタジスタ!

ファンタジスタ。まるでサッカーのスター選手みたいな響き。
三重県内の高等教育機関、企業・団体、自治体と、“地域イノベーションを推進する三重創生ファンタジスタの養成”を始めた永野聡先生(国立大学法人 三重大学地域創発センター 講師)を訪ねました。

DSC_0641
▲永野聡先生。とても気さくにそして明るくインタビューにご対応いただきました。

まずは基本的なことを教えていただきました。国立大学は平成16年の法人化後、各大学の自主性を尊重し大学の構造改革を進めることが必要となり「世界最高の教育研究の展開拠点」「全国的な教育研究拠点」「地域活性化の中核的拠点」という3つの方向性を持って改革を進めていくこととなりました。三重大学は、地域の活性化を担う中核的拠点として改革を進めていくこととなったのです。

DSC_0648
▲右:取材にお付き合いいただいた学務部天池さん。

地域の発展のためには、担い手となる「ヒト」が重要。つまり、三重創生ファンタジスタは、地域の発展に必要な人材を養成する教育プログラムなのです。

具体的には、
・食と観光分野
・次世代産業分野
・医療、健康、福祉分野
の3つの分野の三重創生ファンタジスタを養成すべく、資格認定副専攻ガイドが用意され、キメ細やかなプログラムから選択することが可能です。

IMG_0798

IMG_0800

 

ポイントは県内の全高等教育機関(大学、短期大学、高等専門学校)の学生が参加可能であること。つまり、県内すべての学生が三重創生ファンタジスタの教育プログラムを受講することできるのです。これは従来には例のない画期的な取り組みです!

この取り組みは、文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)の採択(事務局:三重大学)を受け、高等教育機関が教育カリキュラムの改革を進め、地方創生の中心となる「ヒト」の養成を推進することとなっており、COC+の補助期間終了後には、高等教育コンソーシアムみえ(事務局:三重大学)に業務が移管されるとのことです。持続的にこの取り組みを進めていくのです!

 


 

地方創生が叫ばれる昨今。
このような取り組みを知ることや、三重創生ファンタジスタが養成され、地方創生が進むことが期待されます。

国道23号線から、いつも見える三重大学が、少し身近に感じました。


 

取材協力

国立大学法人三重大学 地域戦略センター
住所:三重県津市栗真町屋町1577
電話:059-231-9899
ホームページ:http://rasc-mie.jp

国立大学法人三重大学 地域創発センター
住所:同上
電話:059-231-9969
ホームページ:http://www.cocpls.mie-u.ac.jp/chiiki/