人って、あったかい・・・。三重県の離島「答志島」へ。〔答志島取材:前編〕

2017.1.11

「つづきは三重で」市民記者

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【取材】コンドウタカヒロ

———鳥羽の離島、答志島へ。

いきなりですが、クイズです。
三重県に「離島」はいくつあるでしょうか?・・・・・・・・・

小さいものも含めると、その数なんと

233

都道府県別の離島数としては、全国12番目で、そのうちの8つの島で人が生活しています。

今回は、そんな三重の離島の中で一番人口の多い「答志島(とうしじま)」へ。

事前の情報では、ゆったりと流れる時間や、何より新鮮な魚介類が楽しめるとのこと。
四日市に生まれ育って35年以上のワタクシ、初めての離島旅です。

近鉄四日市駅から特急で約1時間で鳥羽駅に到着。この距離なら日帰りでも楽しめそう。
から鳥羽マリンターミナルまでは徒歩5分。ここからフェリーに乗り込みます。

ワタクシの日常生活にはない、ワクワクの船旅。

船内の窓から外をのぞき見。

船で約20分で答志島へ到着。

約20分で離島「答志島」に到着。

———フェリーを降りると、活気のある和具漁港。

フェリーを降りて隣接する和具漁港に向かいます。
ちょうど、漁船が次から次へと、新鮮な捕れたての魚を水揚げ中。

新鮮な魚の水揚げ。

テキパキと動く漁師さんに少し圧倒されながらも何が捕れるのか恐る恐る声をかけてみると、拍子抜けするほど優しい表情で丁寧に教えてくれました。

優しく教えてくださった漁師さん。

和具漁港の主な水揚げはサワラ。
漢字で書くと魚へんに春で「鰆」ですが、回遊魚のサワラ、ここ答志島での旬は秋とのこと。日本全国に出荷されています。
他にも1年を通してメバル、しらす、カサゴ、伊勢えび、ナマコ、ワカメ、タコ、タイなど季節の魚が水揚げされます。
漁師さんの見た目とのギャップに親近感と安堵(あんど)感を覚え、着いてわずか10分で答志島が好きになりそうです!

 

———軽くご飯3杯はいけます! 答志島のしらす、絶品!

鳥羽市企画財政課移住・定住係の中村風太さん(以下、中村さん。写真左)と、島の旅社事務局の山本加奈子さん(以下、加奈子さん。写真右)。
今回、答志島に詳しいお二人にガイドしていただきました。

鳥羽市企画財政課移住定住係の中村風太さん(写真左)と、島の旅社の山本加奈子さん(写真右)。
▲鳥羽市企画財政課移住定住係の中村風太さん(写真左)と、島の旅社の山本加奈子さん(写真右)。

 

まず目に飛び込んできたのは、一面に広がるしらすの天日干し。

一面に広がるしらす。

しらす! しらす! しらす!

今回、特別にしらすの加工工場を見学させていただきました。

しらすの加工工場。

どうしてもできたてのしらすが食べてみたくなり、厚かましくもスタッフの方にお願いしてみたところ、優しくOK!

では、いざ実食。

しらす、実食。

出来たてだからうま味がギュっ! これは、うまいっ!
これなら、軽くご飯3杯はいけます! 地元に帰ってからの自慢話に決定(笑)。

———答志島の魅力は「島の母ちゃん」に聞いてみよう!

歩くこと約10分。島の旅社に到着。
スタッフの方々は別名「島の母ちゃん」とも呼ばれています。

島の旅社の「島の母ちゃん」。

島の旅社で、答志島について色々と教えていただいたスタッフの濱口ちづるさん(以下、ちづるさん)。とても気さくな方で、気が付けば1時間近くおしゃべりしてしまいました(お忙しいのにすみません)。

ちづるさん:その取材やったら、あの人に聞いてみるね。そんな感じの食事やったらあの人やな。聞いてみるね。

こんな調子で、あちこちに即電話していただきました。やっぱり答志島の方々は温かい!
ちなみに、ちづるさんは海女さんでもあります。さすが答志島!

島の旅社では、「島の持つ豊かな財産と、ありのままの島の生活を来島者にお裾分けしたい」という思いのもと、島の母ちゃんたちが「島の旅」をプロデュースする取り組みを行っています。また、島の魅力をホームページやSNSで発信。電話や訪問(留守の場合有り)でも答志島の魅力を教えていただけます。

島の旅社ホームページ

「ありのままの生活をお裾分け」って素敵ですね。

 

———大迫力! 魚の競りが間近で見学できる! 活きの良い魚が見られる、まるで天然水族館!?

ちづるさんにご案内いただいて、次は答志漁港へ。

答志漁港へ。

受付でサインをして、指定の帽子を着用後、履き物を消毒。
基本的に漁港が空いていたら誰でも見学することができます。

漁業協同組合の濱口さん。

今回、答志漁港を案内していただいた、鳥羽磯部漁業協同組合の濱口輝満さん。生まれも育ちも答志島。
私感で大変恐縮なのですが・・・、ちょっと恐そう・・・。

ドキドキしながら漁港内へ。

答志漁港や競りについて丁寧に答えていただいた。

答志漁港や競りについて、とても穏やかで丁寧に教えてくださる濱口さん。
あれ? 優しい・・・。本当にごめんなさい。漁師さんとか漁業関係者の方って豪快だったりおひげがあったり、ちょっと恐いイメージを勝手に持っていたのですが、間違いでした。

漁港に入ると、市場で競りが始まる直前のタイミング。
仲買人さんは魚を目利きしながら、「推しメン」ならぬ「推し魚」をチェック。

競り前の目利き。

いざ、競り開始!

競りの様子。

答志漁港では、値段をどんどん上げて一番高い値段を出した人が買う一般的な競り方式ではなく、入札方式です。仲買人さんが一発で値段を出し、最も高値を付けた人が買うという方式。一発勝負が見所です!

また、漁港内では、生きている魚を見学することもできます。
水族館より魚との距離が近いので、子どもにも大人気。

魚との距離が近い!

大人も子供も魚に夢中!?

競りが終わってからも、1時間近く島のことを教えてくれた濱口さん。ありがとうございました。

−−−島歩きで見えてきた、伝統を守りルーツを大切にする温かい島民性。

その後、ちづるさんともお別れをしてフリータイム。島歩きをすることにしました。

そこで、島のあちこちに書かれているある「」がとても気になりました。

まるはち?

旅館の看板の下にも、まるはち。

まるはち

ほとんどの家や建物に、手書きで大きく丸の中に八と書かれています。島の旅社のスタッフの方に後で聞いてみました。

まるはちとは・・・
旧暦の1月17日〜19日に開催される八幡祭(※)で使われる炭を使って、1年の家内安全や大漁祈願として家の壁面や船に書く島内の伝統。「八」は島内の守り神でもある八幡神社の頭文字。

(※)八幡祭については、観光三重ホームページをご覧ください。

島の美しい海

まるはちから垣間見られる、祭り本来の意味を今も大切に受け継ぎ、そして守り続ける答志島の方々。

やっぱり、人って、あったかい・・・

うまく表現できませんが、島民の方々の温かさに触れて、素直にそう感じました。

−−−フォトジェニックな答志島。

そんな答志島は、昭和の雰囲気が残るフォトジェニックな場所でもあります。

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このような狭い道を島の人たちは「世古(せこ)」と呼ぶそうです。(紀北町では、合(あい)でしたね。参照:アメリカ帰りのイケメンが移住先に選んだのは漁村だった。

世古を散策しているだけで、なぜか落ち着くのは、島民の方々の暮らしの香りがするからかもしれません。ちょっぴりタイムスリップしたみたいな、ゆったりとした時間の流れは、慌ただしい毎日を忘れられる、ぜいたくなひととき。

初めて訪れた答志島の魅力を充分に感じたところで、前編は終了、後編へつづきます。

後編では、答志島での暮らし、そして、移住・定住に力を入れる鳥羽市の取り組みを紹介します!
松阪から答志島へ。嫁いだ若女将が語る島の魅力とは?〔答志島取材:後編〕


答志島DATA
答志島は答志、和具、桃取の3つの集落があり、周囲26.3kmの広さで、島の80%が自然林。人口は約2,300人で住民の約8割の方が漁業関係の仕事に従事している。
また歴史が詰まった島でもあり、日本最大の水軍として栄えた九鬼水軍、九鬼嘉隆(くきよしたか)が最期を過ごした場所としても有名。