ツイタチはちょっと特別 毎月1日は伊勢で朔日参り&朔日朝市

2017.11.24

グルメからエンタメまで 佐野 興平

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1日の深夜に現れた大行列 朔日(ついたち)朝市の賑わいに密着!

毎月1日に神社にお参りする、“朔日参り”を知っていますか? 三重県の伊勢神宮でも朔日参りがあり、さらに伊勢神宮内宮の鳥居前町にある「おかげ横丁」では、毎月1日に「朔日朝市」が開かれ、大にぎわいなのだそう。「日の出前から何百人も集まる」「その日にしか食べられない、スペシャルメニューが登場する」など、気になる話を小耳に挟んだ私は、朔日朝市の当日、実際に足を運んでみました。果たして、ウワサの真相は…!?  ※記事中の価格は税込み。

朔日参りについて知るべく、伊勢市役所へ。観光誘客課の北村貴裕さんを訪ねました。
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————「朔日参り」について教えていただけますか?

北村さん「毎月1日の朝早くからお参りし、前の1カ月を無事に過ごせたことを感謝して、新しい月の無事をお祈りするのが朔日参りです。毎月の節目である1日に、個人個人がお参りに行っていたのが、いつしか今のように人が集まる形に発展したのではないでしょうか。

伊勢神宮には外宮と内宮がありますから、両宮へお参りするということになります。朔日参りは伊勢神宮に限ったことではなく、全国のさまざまな神社で行われていると思いますよ」

————1年を通じて同じ様子なのでしょうか。

北村さん「8月1日は八朔(はっさく)といい、五穀豊穣(ごこくほうじょう)をお祈りして、粟餅(あわもち)を食べる慣習があります」

 

今度は朔日朝市について、話を聞きましましょう。おかげ横丁の管理運営をしている株式会社伊勢福の五十嵐寛さんに教えてもらいました。
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————おかげ横丁の朔日朝市は、いつごろから行われているのですか?

五十嵐さん「1998年からです。地元の野菜や果物のほか、お菓子、豆腐、パンなど、いろいろなお店が出店します」

————朝市では、おかげ横丁のお店が朔日限定のメニューを出すと聞きました。

五十嵐さん「提供しているお店は10軒ほど。お粥、うどんなど、いろいろなメニューがあります。毎月違ったメニューを出しているので、それを楽しみに来られる方も多いですね」

 

朔日餅&朔日グルメを求める人が深夜から!

毎月1日に行われる朔日朝市。深夜にスタートして午前8時ごろには終わってしまう、時間限定の祭りといったところでしょうか。取材日は2017年11月1日。草木も眠る丑三つ時に到着し、おかげ横丁に急行です。

《午前3時》おかげ横丁
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おかげ横丁に足を踏み入れてみると、おぉ、明るい! そして、すでに多くの人がいます。

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とはいえ、まだ準備中のお店もあるようで、本番はこれからといった雰囲気。

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五十鈴川(いすずがわ)から続く通りには、野菜やお菓子などのお店が、ずらりと軒を連ねています。

《午前3時15分ごろ》赤福本店前
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ん? 「赤福餅」でおなじみの「赤福本店」前に、人が増えてきているような…。
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やっぱり増えてますよね!?
あっという間に、ものすごい人が集まりました。これは「赤福本店」で販売される「朔日餅」の〝列整理券〟が、午前3時30分から配布されるから。

毎月、内容が異なる朔日餅。購入するには、前日の午後5時から配布される「受付番号票」を手に入れ、それと引き換えに翌午前3時30分から列整理券をもらい、今度は午前4時30分に列整理券順に並んで購入、という仕組みだそうです。

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「赤福本店」の周りに、いくつもプラカードが見えます。プラカードの番号は、受付番号票の番号。列整理券をもらうために、みなさん集まってきたんですね。

《午前3時30分》赤福本店前
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いよいよ列整理券の配布のスタートです。スタッフの方が番号を読み上げ、券を手渡していきます。この列整理券をゲットしたら、購入のために集合する午前4時30分までのフリータイム。その時間を利用して、おかげ横丁内のグルメを楽しむという人も多いそう。午前3時30分オープンのお店もあるんですよ…と、しまった! 我々も一軒目のお店に向かわなくては!!

 

■太めでやわらかなうどんにほっこり

《午前3時30分過ぎ》ふくすけ前
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「赤福本店」の列整理券配布の様子を撮影後、すぐに伊勢うどんで人気の「ふくすけ」に向かったのですが、午前3時30分オープンで、すでにこの長蛇の列。さて11月のメニューは…。

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「さわらと長芋の天ぷらうどん」300円です。この日はかなり冷え込んだのですが、ひと口食べると、温かいだしが冷えた体に染み渡り、ほっこり。太めでふんわりとしたうどんと、優しい食感の天ぷらもたまりません。

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「ふくすけ」は、店前に縁台席も完備。朔日朝市では午前3時30分からのオープンなので、星降る夜空の下でうどんを楽しめます。毎月、旬の食材を使ったうどんが登場。12月は「牡蠣とろろうどん」とのこと。

《午前4時45分》赤福本店前
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「赤福本店」で朔日餅の販売がスタート! 橋の向こうまで行列が続いています。なお、午前4時30分前には、列整理券の番号順で並ぶために、かなりの人が橋の周辺に集まっていました。

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店頭も大忙しですが、この日の整理券の最終番号は300番台。しかし10月は1,000人を超えていたそう。「すごい人!」と、思わず行列に見とれながら、この時間帯にオープンするお店に移動です。

■横丁唯一の洋食店「はいからさん」でモーニングバイキング

《午前4時50分》はいからさん
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「赤福本店」の様子を撮影したら、急いで午前 4 時 45 分からオープンしている「はいからさん」へ。お店は、三重県桑名市にある大正時代の建物・六華苑(ろっかえん)をモデルにした洋館の2 階にあります。店内もゴージャスですね。
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こちらでいただけるのが「モーニングバイキング」750円。メニューは、スープやサラダ、サンドイッチ、パスタ、揚げ物、煮込み料理など。
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食後のコーヒーを含むドリンク、スイーツやフルーツも用意されています。こちらは少し奥まった場所にあるうえ、建物の2階ということで穴場的スポット。ゆったりとお得にバイキングを楽しめますよ。

■オープン前から行列のできる人気店「すし久」

《午前5時すぎ》すし久

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「はいからさん」のあとは朔日朝市でも屈指の人気を誇る「すし久」です。こちらもオープンは午前 4 時 45 分。実は赤福本店・朔日餅の列整理券配布が始まった午前 3 時 30 分直後から行列ができていて、「あれは何に並んでいるんだろう?」と思っていたのですが、こちらのお店だったんですね。

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「すし久」11月のメニューは「かき雑炊」800円。これまでのお店でも思っていたのですが、朔日朝市のグルメはお得過ぎませんか!? すし久でも、ほっかほかのかき雑炊に焼き魚、だし巻き、酢の物、焚き合せ、香の物がついて800円ですよ!

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地元・鳥羽市浦村産のかきはプリプリ。うま味もたっぷりで、やさしい味わいの雑炊にマッチしています。12月は冬至粥、4月は筍粥など、その時期の味わいが楽しめるのも見逃せません。

■何が出るかは当日までのお楽しみ! 「横丁そば小西湖」のラーメン

《午前5時40分すぎ》横丁そば小西湖
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朔日朝市の日は午前0時ごろからオープンしている店に行ってみました。横丁の路地で営業しているラーメン店「横丁そば小西湖」です。朔日そばの看板が立てられています。
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松阪牛骨を使ったスープが自慢のこのお店。11月のメニューは「松阪牛の子袋そば」800円です。1日半かけて炊かれた子袋(ホルモン)は、クセもなく超柔らか。ピリ辛牛骨スープは、北海道厚岸(あっけ)産の昆布でとったダシが加わり、あっさりながらも、まろやかなコクのある味わい。
こちらの朔日メニューは、当日のギリギリになるまで決まらないとのこと。今回のメニューも「寒かったのでピリ辛にしましたが、暖かければ塩味にしていたと思います」と店長さん。足を運ばないと何が提供されるのかわからないレアメニューを楽しんでください。

《午前6時》赤福本店前
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空が少しずつ白み始めましたが、赤福本店の行列は変わらず続いています。ここで11月の朔日餅を紹介しましょう。

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11月は「ゑびす餅」です(写真はイートイン用、2個250円)。11月は商売繁盛を祝うお祭り「ゑびす講」があるので、ゑびす様にちなんだお餅でした。2種のお餅には、それぞれ小槌と小判の刻印が。

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左はさっぱりとした柚子風味、右はあん、生地ともに黒糖の風味が楽しめます。どちらもほどよい甘さと、モッチリした生地がたまりません。イートイン時の皿には刻印が入っていますが、こちらも毎月違うデザインになっているそう。

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写真は、お持ち帰り6個入り740円(ほか、10個入り1,240円あり)。実は朔日朝市で大行列になるのは、このお持ち帰りをゲットする人たち。店内でいただくなら、ほとんど待ち時間なしで大丈夫なので、味わってみたい人はイートインがオススメ。朔日餅の内容は毎月違うので、他の月もチェックしてみてください。

《午前6時30分過ぎ》すし久前
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朔日餅・朔日朝粥の購入者向けに、毎月1日のみ利用可能な無料駐車場も(1月を除く)。駐車場から各店まではシャトルバスが運行されています。すっかり明るくなり、おかげ横丁にあるシャトルバスの停留所には、帰りのバスを待つ人たちの姿もちらほら。

■五十鈴川を眺めながら「野あそび棚」でゆったりと食事を

《午前7時ごろ》野あそび棚

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ここでおかげ横丁から少し離れた場所にあるお店へ行ってみましょう。午前5時から開店している「野あそび棚」。おかげ横丁から北へ5分ほど歩いた場所にあります。

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11月限定の「山芋のとろろ麦飯」800円。「野あそび棚」が、朔日朝市で提供しているメニューは朝市限定ではないので、その月内ならいつでも味わえます。これもまたボリュームたっぷり!42_IMG_1501

麦飯にとろろをたっぷりとかければ、朝からおなかは大満足。こちらでは毎月季節の食材を使った、〝汁かけごはん〟を提供しているそう。

《午前7時過ぎ》ふくすけ前
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すっかり夜が明けました。うどんの「ふくすけ」は朔日メニュー「さわらと長芋の天ぷらうどん」が完売した様子。通常の営業時間までクローズです。
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朝市もこの時間になると、さすがにお客さんは少なめに。でも、途切れることはなく、このままいつも通りのにぎやかな、おかげ横丁へと表情を変えていくのです。

 

1が付く日には神馬を見ることもできるかも

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写真提供:神宮司庁

伊勢神宮では、朔日参りがある毎月1日のほか、11日・21日と1が付く日に、「神馬牽参(しんめけんざん)」が行われます。内宮、外宮にそれぞれ2頭ずついる、天皇陛下から奉納された神馬が正装し、神前にお参りするもので、大正5年以来の慣例なのだそう。

時間はおよそ午前8時前後で、天候や神馬の調子によっては中止になることも。お参りで、運が良ければ神馬の姿が見られるかも知れません。

初めて足を運んだ朔日朝市は、日の出前にも関わらず大勢の人が集まり、そのパワーに圧倒されました。そして、朔日メニューがどれもお得なことにもビックリ! 今回紹介したお店以外にもあるので、要チェックです。普段とはちょっと違った伊勢の一面が見られる深夜から早朝のお楽しみ。朔日参りと朔日朝市に、ぜひ足を運んでみてください。

 

今回紹介のスポット情報はコチラをチェック!
★おかげ横丁
(ふくすけ・はいからさん・すし久・横丁そば小西湖・野あそび棚)

電話:0596-23-8838(おかげ横丁総合案内/10:00〜17:30、季節により異なる)
住所:三重県伊勢市宇治中之切町52
http://www.okageyokocho.co.jp
★ふくすけ
電話:0596-23-8807
営業時間:10:00〜17:30(L.O.17:00、季節により異なる)
※朔日朝市3:30〜売り切れ次第終了
★はいからさん
電話:0596-23-8806
営業時間:10:30〜17:30(L.O.17:00、季節により異なる)
※朔日朝市4:45〜売り切れ次第終了
★すし久
電話:0596-27-0229
営業時間10:30〜19:30(L.O.19:00)
※朔日朝市4:45〜売り切れ次第終了
★横丁そば小西湖
電話:0596-23-8837
営業時間9:30〜17:30(L.O.17:00、季節により異なる)
※朔日朝市0:00ごろ〜
★野あそび棚
電話:0596-25-2848
営業時間:11:00〜17:30(L.O.17:00、季節により異なる)
※朔日朝市5:00〜売り切れ次第終了
★赤福本店
電話:0596-22-7000
住所:三重県伊勢市宇治中之切町26
営業時間5:00〜17:00(繁忙期は時間変更あり)
※朔日餅4:45〜売り切れ次第終了
http://www.akafuku.co.jp/
★伊勢神宮
電話:0596-24-1111(神宮司庁 8:30〜16:30)
参拝時間:10月・11月・12月=5:00~17:00、1月~4月・9月=5:00~18:00、5月~8月=5:00~19:00
http://www.isejingu.or.jp

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